母として、息子との距離に悩んだ日々

はじめに
こんにちは。
発達グレーゾーンと言われ続けた後、ADHD /自閉症スペクトラム/軽度知的障害と診断された息子がいます。今は息子も成人していますが、これまでの私の体験談を通して感じたことをまとめています。
グレーゾーンと言われるお子さんは、よく受け止めることが大切と言われたりしますが…。 諦めることとは違うと思い、ここは丁寧に・大切にして育てたこと。後の生活に大きく影響したなと思うことを3つまとめました。
幼少期…
当時の私は、息子とどう接していいのかいつも迷ってばかりでした。
人との距離感がうまくとれず、つい話しすぎたり、順番が待てなかったり…。
相手の気持ちがわからず、「空気が読めない」と思われることも多々ありました。
でも、そういうときこそ私は、
「今はこうだから、次はこうしてみよう」
と、一つずつ言葉にして、息子に伝え続けました。根気よく・根気よく…
今では、順番も待てるようになり、突然話し出してしまったときも「どうぞ」と言えるようになりました。服薬の力も借りながら、主治医と相談して“ちょうど良い”を探してきたことも、支えになっています。
話し方がまとまらなかったり、おどおどしてしまうことは、今でもあります。
でも、それも「うちの子は3倍時間がかかる」と思えば、心に余裕が持てました。
母だからこそ、あきらめない。
息子の可能性を、私が信じてあげたかった。
①時計の感覚を育てる小さな習慣
「今なにするの?」「いつおやつ?」
予定がわからないと不安になる息子に、繰り返し“時間”と“行動”をセットで伝えていきました。
「8時にごはん」「10時にお出かけ」
そんなふうに、時計を見ながら予定を確認することで、次第に安心して過ごせるようになりました。
アナログよりデジタルのほうが理解しやすかったようで、いろいろ試して息子に合うものを見つけました。
時計の感覚が理解できる=今後の予定が分かり、見通しが持つことができるようになる
そう感じました。パニックになっていた要因の一つが消えていく感じがしたのです。
②数の理解をコツコツ育てる

息子は、数字がずっと苦手でした。
お釣りの計算も難しく、想像が追いつかない。
でも、毎朝の登園前にはおはじきなどで数字と触れ合い、小学校に入ると公文のプリントを繰り返しながら、“数”と少しずつ仲良くなっていきました。
意味は理解できなくても、音から⁉︎、視覚的に⁉︎、視覚の中でも配色は⁉︎…。
日頃から息子の理解しやすい方法を探すようにしました。その子に合った“入り口”を。
大人になったとき、一人で通勤するにも、金銭管理するにも、
“数の感覚”はやっぱり大事なんだと、今になって感じます。
🌱頑張っても難しい・できない…の場合にはこちらの記事も良かったらご覧ください。軽度知的障害の診断後に取るべき3つのステップ|療育手帳交付までの母親の体験談
③社会の中で生きていくための「マナー」
育児の中で一番悩んだのが、社会性とマナーでした。
よだれが出てしまうこと、陰部をいじること、突然大きな声で話すこと…。
恥ずかしいという気持ちよりも、「どうしたら息子が生きやすくなるか」を考え続けました。
▶ 母として工夫したこと
(例)
- シャツの裾が出ないよう、肌着とサイズを調整
- 靴紐が難しいときはチャックタイプやスポーツタイプの靴に
- ベルトはワンタッチでできるもの
- 定期券はリールで腰につけて紛失防止など
「だらしなく見えないこと」も、実はマナーの一部。
息子の負担を減らして、“気をつける余裕”を作ってあげました。
感謝の言葉が言える子に育ってほしくて
支援を受けてきたからこそ、生きていけている。
それは事実です。
だから私は、「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」と言える子に育ってほしいと願ってきました。
就職先からこう言われました。
「グループで焦っている子に、“大丈夫、一緒にやろう”と声をかけたことが採用の決め手でした。」
咄嗟に出る言葉が、その人の“根っこ”を映す。
私は、その姿を誇らしく思いましたし、自分もそうありたいと思えました。
まとめ:母として、子どもと生きる“今”を応援しています

息子が小さかったころ、私はいつも不安でした。
「何をしてあげたらいいのか」「どこまで教えればいいのか」
正解が見えず、余裕もなく、時には怒ってしまうこともありました。
そのときの息子の顔を、私は今でも忘れられません。
だからこそ思います。
“やり直せるなら、もっと一緒に楽しみたかった。”
いま、育児の真っ最中で悩んでいるお母さんへ。
もし、少しでも参考になったら嬉しいです。
明日も、心まるく。ゆっくり、笑って過ごせますように。
🧾注意事項
※あくまで個人の経験に基づいた体験談になります。詳細は専門家、主治医等に相談の上検討してください。
執筆者プロフィール
障害のある息子を育てながら、日々の支援・工夫・制度利用について発信しています。専門家ではありませんが、現場の声を同じ立場の保護者の方に届けることで、少しでも心の負担が軽くなることを願っています。
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