他人からの一言で救われた経験と傷ついた経験|軽度知的障害の息子と歩んできた23年

子育て・発達

はじめに

子育ての中で、家族以外の人からかけられる言葉は、ときに心の支えにも、逆に深い傷にもなります。
特に軽度知的障害(ADS/ADHD)の息子を育てていると、その一言が忘れられず何年も胸に残ることがあります。
今日は、私が23年間の子育てで経験した「救われた言葉」と「傷ついた言葉」、
そしてその後どう受け止めるようになったのかをお話しします。
同じような経験をしている方が、自分の心を守るヒントになれば嬉しいです。


救われた一言たち

「○○くんの笑顔っていいね」

小学校低学年の頃、担任の先生が息子にかけてくださった言葉です。
学習の遅れや集団行動の難しさばかりが目立ち、私は「迷惑をかけているのでは」と肩身が狭く感じていました。
そんな時に、先生が「でもね、○○くんの笑顔があるとクラスが和むんですよ」と伝えてくださったのです。

その瞬間、私は「息子には息子なりの役割があるんだ」と気づかされました。
あの言葉は、今も私の宝物です。


「お兄ちゃんって優しいね」

健常児である妹の友達が、何気なく言った一言です。
息子が妹を気遣う様子を見て、自然に出てきた言葉でした。
親の私がいくら「優しい子だよ」と言うよりも、同年代の子どもからの言葉のほうが重みがありました。

その日、息子は照れながらも本当に嬉しそうでした。


「できることを一緒に伸ばしていきましょう」

支援学級の先生に言われた言葉。
「できないこと」にばかり目を向けていた私にとって、この言葉は目からウロコでした。

それ以来、苦手を補うことだけでなく、好きなこと・得意なことを伸ばす意識に切り替えることができました。
息子は電車や地図が得意で、今では立派に「道案内役」を担っています。

傷ついた一言たち

「どうしてフラフラするの?」

保育園のころ、他の保護者から投げかけられた言葉。
悪気があったわけではないのかもしれません。
でも、「フラフラ」という言葉は、私にとって刃物のように突き刺さりました。

「普通って何だろう」
「息子は普通じゃないの?」
そう思い悩み、自分を責めて泣いた夜もあります。


「将来は大変ですよね、頑張れ」

中学生の頃、進路相談の場で言われた一言。
心配しての言葉だったのだと思います。
でも、当時の私には「未来は暗い」と宣告されたように感じられ、胸が締め付けられました。

あの頃は、将来の不安でいっぱいでした。
だからこそ、その言葉は余計に重くのしかかったのです。


「かわいそう」

街中で、知らない人から向けられた視線と一言。
何気ないつぶやきのような声でしたが、母親としてとても辛いものでした。

息子は「かわいそう」ではありません。
人より少し時間がかかることはあっても、彼なりの人生を生きています。
けれど、他人のその一言で、私自身も一瞬「そうなのかもしれない」と揺らいでしまったのです。

受け止め方が変わった瞬間

意図を考える

言葉の裏には心配や無知があるだけで、悪意ばかりではないと気づく。

嬉しい言葉を上書き保存

傷つく言葉を思い出すたびに、救われた言葉を意識的に思い出すようにした。

小学校の担任から「学校のことは大丈夫ですから。お母さん!」と言ってもらったことも。一人で背負い過ぎていた頃にいただき忘れられません。

自分も言葉を選ぶ側になる

息子や妹、その友達にも「救う言葉」を使おうと心がけるようになった。                   と言っても、感情的に言葉で息子を傷つけたことはあります…。私の悩む姿を見せたことも、申し訳なかったと思っています…。

でも、だからこそこれからを大切にしようと思うことができました。



言葉の力を感じて

23年間を振り返ってみると、私と息子を支えてくれたのは「救ってくれた言葉」でした。
一方で、たった一言で心が折れそうになったことも確かにありました。

言葉は目に見えないけれど、人の心に大きな影響を与えるもの。
だからこそ、「声をかける側」にも「受け取る側」にも、思いやりや余白が必要なのだと思います。


これから歩む方へ

これから子育ての道を歩む方に伝えたいのは、
すべての言葉を重く受け止めすぎなくてもいい」ということです。

救われる言葉は大切に胸にしまって、傷つく言葉は「そういう考えもあるのね」と受け流していい。
すべてを真に受けなくても、子どもの成長はゆっくりと確実に進んでいきます。


まとめ🌈

軽度知的障害の息子と過ごしてきた23年間、数えきれない言葉をかけられてきました。
その中で私を支えてくれたのは、「笑顔が素敵だね」「一緒に伸ばしましょう」という前向きな言葉でした。

一方で、「普通」「かわいそう」といった言葉に傷つき、自分を責めたこともありました。

だからこそ、私はこれからも「言葉を選ぶ人」でありたいと思います。
そして同じように悩む親御さんに、「大丈夫、一緒に歩んでいけます」と声を届けたいです。


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