「薬に頼るのは…」と悩んでいた私が、それでも服薬を選んだ理由|自閉症スペクトラム・ADHD・軽度知的障害の息子と歩んだ10年間!

子育て・発達

はじめに:「薬だけには頼りたくない」と思っていた

「小さな子に薬なんて…本当に必要?」
「できることなら、支援だけで乗り越えたい…」

そんなふうに考えていた私が、息子のために薬(ストラテラなど)を選ぶことになったのは、中学入学の頃のことでした。(小学校時代はセルシン散のみ服用:抗不安作用)

発達障害(ADHD・ASD)と軽度知的障害のある息子は、パニックや切り替えの難しさが日々の悩みの種でした。声かけや支援の工夫だけでは追いつかなくなっていき、「本人が一番つらいんじゃないか」と感じ始めたとき、主治医から薬の提案がありました。

医師に教えてもらった薬の種類と特徴

当時、主治医から提案された薬はこんな感じでした:

薬名特徴と効果備考
ストラテラ衝動性や不注意をゆっくり改善。非中枢刺激薬なので依存性が少ない効果が出るまで数週間
インチュニブ興奮やイライラを抑え、落ち着きやすくなる眠気が出る場合あり
ビバンセ中枢刺激薬。効果が早く、多動や衝動性に有効食欲低下や依存性に注意
コンサータ効果が明確。学校生活で集中力を保ちやすい効き目は強いが依存性に配慮が必要

うちの息子には「ストラテラ」が合っていると判断されました。落ち着きのなさよりも、注意が続かないタイプだったからです。

実際に服薬してどうだった?

最初は「本当に効いてるのかな?」と半信半疑でした。
でも、主治医に「最近、会話が落ち着いてきたね」と言われたとき、「あ、確かに」と気づいたんです。

本人もある日こう言いました。

「なんかちょっと、前と違う気がする。」

効果が出るまでに少し時間はかかりましたが、明らかな変化がありました。
副作用としては以下のようなことがありました。

  • 眠気:飲み始めに少しあったが、すぐに慣れた
  • 食欲の低下:思春期の影響もあるかも?明確ではなかった
  • 皮膚のかゆみや強いだるさはなし

成長期に食が細かったことと、睡眠が浅かったことは、身長の伸びに影響したかもしれません。

ジェネリック医薬品への移行💊:アトモキセチンカプセル

ストラテラからジェネリックへの変更

制度変更により、**アトモキセチンカプセル(ジェネリック)**への移行も経験しました。

薬の見た目が変わることに、こだわりの強い息子は抵抗感を示しましたが、「この先、親がいなくなった後の負担も減らせる」という理由で、ゆっくり話し合いながら切り替えました。

厚生労働省 令和6年10月からの医薬品の自己負担の新たな仕組み


息子の言葉:「薬、飲まないと怖いんだ」

数年たったある日、主治医との面談で、息子がこんなことを言いました。

「飲まないと、怖いことが起きる気がするから、飲みたい。」

親としては驚きました。でもそれは、**「パニックになる自分が怖い」**という気持ちから来ていたのです。
薬はただの成分ではなく、息子にとって「心の安心」になっていたのだと感じました。


親としての葛藤と、決断の理由

強い効果のあるコンサータも提案されましたが、親として依存性が気になり、その時は見送ることにしました。

それでも「薬を使う=悪いこと」とは思わないようにしたのは、主治医の言葉が支えになったからです:

「薬は、子どもが社会の中でつまずかないようにする“杖”みたいなもの。必要なときに使っていいんですよ。」


我が家なりの“薬とのつきあい方”

服薬を「仕方ないこと」と思うのではなく、前向きな生活の工夫のひとつとして取り入れました。

💬 毎週「調子どうだった?」と話し合う

→ 自分の気持ちや体調を言葉にする練習に

🧸 「お守り」として服薬を説明

→ ネガティブな印象を持たせない工夫

⏰ 服薬時間を固定

→ 習慣にすることで飲み忘れを防ぐ

📌 関連体験談【体験談】自立支援医療制度って⁉︎|軽度知的障害・ASD・ADHDと向き合う家族の記録


最後に:「薬は魔法じゃないけれど、選べる希望」

薬がすべてを解決してくれるわけではありません。
でも、「つらさを少し軽くする手段」として、選べることそのものが安心につながると思うのです。

「薬を使うこと=失敗」ではありません。

そして、少しの落ち着きから成功体験を重ね、自己肯定感が高まることもあると思います。自分から毎日薬を飲んでいる息子の姿を見て感じるのです。

もし同じように悩んでいる方がいたら、この体験が、ほんの少しでも気持ちを軽くするきっかけになれば嬉しいです。

明日も心まるく・穏やかに過ごせますように♪

※あくまで個人の経験に基づいた体験談になります。実際の服薬については必ず医師と相談してください。

※執筆者プロフィール:

障害の息子を育てる母として、日々の支援や社会参加に向けた体験を発信しています。専門家ではありませんが、実体験を通して、同じ悩みを抱える方の力になれたらと願っています。


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